終活や葬儀で知っておきたいこと

東京で執り行う火葬式は全国で最も費用が高い

東京で執り行う火葬式は全国で最も費用が高い 費用が100万円を超えることも珍しくない一般葬に対して、火葬式であれば10万円から30万円程度で済みます。

金銭的な負担を減らしたいという人にとって、火葬式は最適な葬儀の形式です。その火葬式ですが、地域によって費用の相場にバラツキがあります。都道府県別の費用相場を見ていくと、一番高いのは東京です。その理由は、東京にある公営の火葬場が少ないことにあります。


火葬場は大別すると、その地域の自治体が運営する公営と民間業者が運営する民営の2種類です。公営の火葬場は、民営のように利益を得るために運営されているものではありません。人々の生活をサポートするための施設として存在しています。

そのため、費用は住民であれば無料で利用できる自治体もありますし、支払う必要があるとしても民営よりも安いです。公営の火葬場が少なく民営の火葬場がほとんどということであれば、東京が他の道府県に比べて費用が高くなるのも当然と言えます。


東京に公営の火葬場が少ないのは、東京の特殊性が影響をしています。明治時代に、江戸から名称が変わった東京は日本の首都となりました。政治・経済の中心である東京には、地方から多くの人が集まるようになりました。
そこで生じたのが埋葬スペースの問題です。土地が少ない場所では、従来の土葬で墓を作るとスペースが足りません

そこでよりコンパクトに埋葬できる火葬が行われるようになりました。そこで火葬場が大量に作られ、やがて統廃合を繰り返していきます。東京以外の地域では、統廃合を進めたのは自治体です。しかし、東京ではある民間業者による主導で行われたので、現在でも民営の火葬場は数が多く公営の火葬場はわずかです。


公営の火葬場が少ないために、全国で最も費用が高くなってしまった東京では、火葬式の持つメリットが少なくなります。しかし、公営の火葬場が一つもない、というわけではありません。公営の火葬場がある地域であれば、安く火葬式ができるでしょう。

また、民営の火葬場であれば、日程の調整がしやすい、受けられるサービスが充実しているなどのメリットがあります。費用以外の面も重視するならば、民営の火葬場も悪くはないでしょう。